金色の光

雲に隠れて謎

生活

で)そっと離しました



ところでエアコンの脅威に晒されているのはみんな同じでした。今走っている場所が熱帯の国だとは車内からでは全く感じられないくらい、この体は熱病にうなされる患者さながらに震え、かすかに窓に伝わる外気の暖かさを頼りにそちらに出来るだけ凭れ掛かっていたのです。次に一つ右側、つまり最後部座席の真ん中に座る乗客は私以上に肥えた女性とあいなります。
バス旅行(!)中に最も肌を多く接触させるわけで、それが好みのタイプとまではいかなくとも……。いやいや、容姿のことはともかくとして、車中に占める彼女の面積が他乗客一人あたりの平均を超えていることで、車体が左右に揺れるたび、汗が引いたとはいえべたついたお互いの腕を幾度も引っ付け、相手の様子を窺った上で恐縮しいの引っ込めなければならないのがなんと最早なのです。
しかし隣りの女性には劣るとはいっても、こちらも決してスマートな体型をしているわけではありません。自分がそのように思われる次の役割交代が無いとは言い切れないと考えるならば、早々簡単に件の女性を非難する行為は自らの首を絞めることにもなりかねないと、無理やり納得させたのですHKUE 呃人
バスも出発して数十分が過ぎたあたりには同乗者への観察も一旦終わり、身体を縮こめ外の風景を見るともなしに眺めていました。ですが、しばらくしてまたカーブへ差し掛かった際、その勢いで身体が一方へ寄せられ腕同士がべたりとくっついてしまったのです。ミニバスの狭さにうんざりしつつも隣の女性へ余計な他意の与えない感じに(やり方によっては失礼に当たるかもしれないので)そっと離しました。

一人忘れてました。一番最後の紹介になりましたが、後部席右端の乗客はこれまたマレー系の若い女性です。この地方の人がまず表面に育てる明るさは確かにありながら、しかし同時に私が想像し期待をしもする、また漠然と知る独特の甘く憂いた雰囲気、それらがない交ぜになったもの。車内照明の加減で青黒い女性のその肌へゆるやかに纏っているのでしたHKUE 呃人
右側(彼女にとっては左側)の豊満な女性とは終始にこやかと話す一方、ほかの人物の会話にも興味ありげな顔を向け時々はやや早口気味で話へ参加したりもするのでした。また次々に通り過ぎる窓からの風景が如何にも物珍しいと言いたげに、新しい刺激に対し反応が良いというか良過ぎるくらいでして、何かが耳に目に入るたびやたら気を取られてみたりもするのですね。まるで小さな子供であるかの落ち着かなさで絶えず視線を方々へやり眺めているのです。
そういった点からも少しばかり年齢不詳系の彼女。豊満な女性とは親子なのだろうかと思ってみたりもしましたが、やはり傍から見ているだけでは分かりませんHKUE 呃人



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